こんにちは!動画編集スクールWork&Joy(ワクジョイ)の稲葉です。
この記事では、動画編集をより効率的に行うための撮影テクニックを解説します。
動画制作は編集技術だけでなく撮影技術も重要なポイントで、撮影の段階で高品質な映像ができれば、後の編集作業がスムーズになります。
初心者の方は「後で直せばいい」と考えてしまいがちですが、時間とクオリティを奪われないためにも撮影の技術と知識を深めておくことがおすすめです!
今回は下記の内容を解説します。
- 撮影の段階で注意すべきポイント6つ
- 編集作業に影響を与えるカメラ設定のポイント5つ
- 演者の技量について
撮影に携わることのある動画編集者の方はぜひご参考ください!
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動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニック6つ
ここでは早速、動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニックを6つご紹介します。
- アングルを使い分ける
- 編集後の構図をイメージしながら撮影する
- 照明をコントロールする
- 外部マイクを使う
- 手ブレやカメラの揺れを抑える
- カメラの設定を適切に行う
①アングルを使い分ける
動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニック1つ目は、アングルを使い分けることです。
アングルとはカメラを映す角度のことで、被写体の見え方や動画の印象を大きく左右する大切な要素です。
以下は、動画撮影時によく使用されるアングルの種類です。
- ロングショット
広い景色やシーン全体を捉えるアングルです。
背景や空間の広がりを視聴者に伝えたい時に使用します。 - フルフィギア
被写体の全身を捉えるために使用されます。
服装や体格、行動を強調するのに役立ちます。 - バストショット
被写体の胸〜頭を映すアングルです。
表情や動作をより詳細に見せることができ、万能的で使いやすいサイズといえます。 - クローズアップ
被写体の顔、目元、足元、指先など、一部分を詳細に捉えるアングルです。
視聴者に注目を促したり、感情や意図を伝えるのに効果的です。 - オーバーショルダーショット
文字通り被写体の肩越しに撮影する手法です。
被写体の視点や視界を示したり、
会話シーンや対話の場面では二人の関係性や雰囲気を印象付けることができます。 - ローアングル
下から見上げるように撮影するショットです。
被写体をより力強く偉大に見せるのに役立ちます。 - バードアイビュー
高い位置から撮影する手法です。
場所や配置を示したり、アクションを俯瞰する際に使用します。
特に長めの動画では、視聴者が飽きずに最後まで閲覧できるよう、ストーリー展開に合わせて複数のアングルを使い分けることが大切です。
②編集後の構図をイメージしながら撮影する
動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニック2つ目は、編集後の構図をイメージしながら撮影することです。
こちらは先ほど解説したアングルにも通じるところがあります。
例えば、被写体が喋っている動画でバストショットの映像を使う際、テロップや参考画像を追加した時にバランスが悪くなってしまうことがあります。
そのため撮影時は、各要素をどこに配置するかをイメージした上で「被写体の大きさ・位置・カメラアングル」などを考えましょう。
またトーク動画などのシンプルな内容であっても、基本的には「引き」と「寄り」を両方撮影しておくことが望ましいです。
- 引き
被写体と背景を写し、その場の状況が分かるような映像 - 寄り
被写体だけが画面に大きく写っている映像
例えばTVや広告動画などを見ても、1つのアングルだけで撮影されている動画はほとんどなく、寄りと引きを順番に見せています。
動きの少ないシンプルな内容であっても、通常のシーンは引きの映像、強調したい部分は寄りの映像を用いることで、重要なシーンを印象付けることができます。
③照明をコントロールする
動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニック3つ目は、照明をコントロールすることです。
照明は被写体を引き立てたり、画面全体の色彩を美しく見せるために役立ちます。
また、特定のシーンで光の量や方向を調整することで、他のシーンとは違う雰囲気を作り出すことができます。
後ほど詳しく解説しますが、映像の明るさはカメラの「ISO感度」によって調整できます。
ISO感度が高いほど暗い場所でも明るい映像を撮ることができますが、数値が高すぎると画質が落ちてノイズが目立つことがあります。
そうなると編集で修正することが難しいため、照明を使ってより自然な明るさを実現しましょう。
④外部マイクを使う
動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニック4つ目は、外部マイクを使うことです。
動画の音声は映像と同じくらい重要な要素で、音声がこもっていたりノイズが多く入っていると視聴者がストレスを感じてしまいます。
最近はカメラに内蔵されているマイクも高品質になってるため、静かな場所で撮影する場合は内蔵マイクでも十分といえます。
しかし、屋外の撮影では風や周囲の騒音が入ってしまうことがあるため、外部マイクを使用するのが望ましいです。
以下は、一般的な動画撮影で使用される外部マイクの種類です。
- ショットガンマイク
一方向の音だけをピンポイントに録音できるマイク。 - ピンマイク
服にピン留めして使用できるマイク。
被写体が動いてもクリアな音声で録音することが可能。 - ハンドマイク
インタビュアーやパーソナリティーらしさの出るマイク。
⑤手ブレやカメラの揺れを抑える
動画編集のクオリティを上げる撮影テクニック5つ目は、手ブレやカメラの揺れを抑えることです。
不必要にカメラが揺れていると、視聴者に不快感を与え動画から離脱する原因になります。
この対策として、以下の方法が有効です。
- 三脚を使用する
- カメラに搭載されているイメージスタビライザー(手ぶれ補正機能)を使用する
- ハンドヘルドジンバルを使用する
ちなみに、Premiere Proなどの動画編集ソフトには手ぶれを補正する機能があります。
しかしこういった手間をかけないためにも、撮影の時点でカメラを安定させることを意識しましょう。
⑥カメラの設定を適切に行う
動画編集のクオリティを上げるための撮影テクニック6つ目は、カメラの設定を適切に行うことです。
動画撮影用のカメラには様々な設定項目がありますが、後々の動画編集に影響を与える要素として特に重要なのが、以下の5つです。
これらは、映像の品質だけでなくファイルサイズにも大きく影響します。
ファイルサイズが大きいと編集時に扱いにくいだけでなく、視聴環境によっては読み込みが遅くなることもあるため、動画の内容に合わせて適切に設定することが大切です。
次の章では、撮影時のカメラ設定のポイントについて詳しく解説します。
なお、動画の書き出しやファイルサイズの注意点について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイント
ここでは、動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイントについて解説します。
①解像度
動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイント1つ目は、「解像度」です。
解像度とは映像の画質のことで、「幅 × 高さ」のピクセル数で示されます。
出典:studio9「写真編集向け液晶モニターを失敗せず選ぶためのポイント10選」より
一般的に、解像度が高いほど画質が良くなり細部まで描写することができますが、ファイルサイズも大きくなってしまいます。
そのため、目的や視聴者の環境に合わせて適切な解像度を選ぶことが大切です。
以下に主要な動画配信プラットフォームで推奨される解像度をまとめました。
プラットフォーム | 推奨解像度(推奨アスペクト) |
---|---|
YouTube | 1920×1080(16:9) |
1280×720(16:9) | |
ストーリーズ、リール投稿時 →1080×1920(9:16) オーガニック投稿時 →600×315(1.91×1) →600×600(1:1) →600×750(4:5) |
|
広告出稿時 →1,200×1,200(1:1) オーガニック投稿時 →1,280×720(16:9) |
|
TikTok | 1080×1920(9:16) |
②フレームレート
動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイント2つ目は、フレームレートです。
フレームレートとは1秒間に表示される画像の枚数を表す指標で、「fps」という単位で示されます。
例えば動きのあるシーンでは、フレームレートが低いとカクカクした動きになり、フレームレートが高いほど滑らかに再生されます。
こちらも数値が大きいほどファイルサイズが大きくなるため、動画の内容に応じて使い分けましょう。
以下は一般的なフレームレート設定の例です。
- 動きの少ない動画
→ 24fps〜30fps - 高速な動きを含む動画
→ 60fps以上
スポーツ動画など、肉眼では捉えられない一瞬の出来事を滑らかなスローモーションにしたい場合は120fpsなどで撮影するとより鮮明に表現できます。
③シャッタースピード
動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイント3つ目は、シャッタースピードです。
シャッタースピードとは、撮影時にカメラのシャッターを開いて光を取り込む時間のことを言います。
例えばシャッタースピードが「1/60秒」の場合、1秒間に60回シャッターを切っていることになります。
シャッタースピードが速いほど被写体を滑らかに撮影することができ、シャッタースピードが遅いほどカクカクとした動きになります。
一般的に、シャッタースピードはフレームレートの2倍程度にすると自然な動画に仕上がります。
例えば24fpsの場合は1/48秒、30fpsの場合は1/120秒程度に設定します。
こちらもフレームレート同様、被写体の動きに合わせて適切な数値を選択しましょう。
④ISO感度
動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイント4つ目は、ISO感度です。
ISO感度とは、レンズから入ってくる光の量をカメラ内でどれくらい増幅させるかを示す数値です。
ISO感度が高いほどカメラはより多くの光を感知し、暗い環境でも明るい映像を撮影することができます。
一般的に、カメラの初期設定ではISO感度がAUTO(オート)になっていることが多く、周りの状況を判断して自動的にISO感度を決めてくれます。
しかし夜の撮影などではISO感度が上がりすぎて画質が落ちることがあるため、シチュエーションに応じて手動で設定できるようになると、後々の編集が楽になるでしょう。
以下は、撮影シチュエーション別の数値の目安です。
シチュエーション | ISO感度 |
---|---|
三脚を使ってじっくりと撮影する場合 | 100 |
昼間のスナップ撮影 | 400〜800 |
星空、ホタル撮影 | 1600〜3200 |
屋内のスポーツ撮影、夜の動体撮影 | 3200以上 |
⑤F値(絞り)
動画編集に影響を与えるカメラ設定のポイント5つ目は、F値(絞り)です。
F値とはレンズの絞りの大きさを表す数値で、映像の明るさとぼかしに影響を与えます。
- F値を小さくする
レンズの絞りが大きく開かれ、より多くの光がセンサーに入るため画像が明るくなります。
また、被写界深度(フォーカスされた範囲)が浅くなるため背景がぼやけた効果が得られます。 - F値を大きくする
レンズの絞りが狭くなり、少ない光がセンサーに入るため画像が暗くなります。
また、被写界深度が深くなる(広い範囲がフォーカスされる)ため、ピントが合う範囲が広がります。
一般的なカメラで設定できる最小F値は3.5前後となっており、ポートレートなどで被写体を際立たせたい時はF3.5〜F5.6付近で撮影するのがおすすめです。
なお、広い場所で背景をしっかり見せたいときは、F5.6~F8付近で撮影するときれいに映ることが多いです。
演者の技量も動画編集の効率に関わる
高品質な動画を作成するためには、カメラマンや編集者だけでなく「演者の技量」も重要です。
例えば演者が慣れていない場合、何度も取り直しが必要になり編集時のカット作業が増えてしまいます。
また必要な情報をセリフとして適切に伝えられない場合、テロップを追加して補足説明をする手間がかかってきます。
これらは作業効率を低下させるだけでなく、視聴者が動画から離脱してしまうことにも繋がります。
この対策として、以下のことが挙げられます。
また、シーン毎に余白時間を確保することも大切です。
セリフの言い始めや言い終わりの前後で急にカットするのではなく、余裕を持たせることで編集時に別のシーンを追加しやすくなるなど、柔軟性を持たせることができます。
動画編集を楽にする撮影テクニック6選まとめ
この記事では、動画編集を楽にするための撮影テクニックについて解説しました。
動画制作はチームワークが重要であり、カメラマン、編集者、演者全員の力が結集されて始めて高品質な動画を制作することが可能になります。
- 編集後の動画をイメージしながら撮影すること
- カメラ設定を適切に行うこと
- 演者のパフォーマンスを最大限に引き出すこと
これらが効率的な動画編集への鍵となりますので、撮影に携わる機会がある方はしっかりと覚えておきましょう。
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