こんにちは!動画編集スクールWork&Joy(ワクジョイ)の稲葉です。
今回は、動画編集の必須アイテム「フォント」について徹底解説します!
動画には、テロップ、字幕、タイトルなど、様々な文字情報が出てきますが、それらに使用するフォントの種類によって動画の印象やクオリティは大きく変わってきます。
映像と音声だけでは十分に伝えられない、雰囲気や感情といった部分を効果的に伝えることにも役立ちます。
そこで今回は以下の内容を解説します。
ぜひ参考にして動画のクオリティアップにお役立てください!
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フォントとは?
フォントとは、特定のスタイルでデザインされた文字の集合体のことです。
フォントによって形状、サイズ、太さ、傾き、装飾など、多種多様なスタイルがあります。
日本語フォントの場合、主に以下の4種類に分けられます。
- ゴシック体:
縦線・横線の太さが均一な書体です。
親近感、安定感、カジュアル、力強いといった印象を与えます。 - 明朝体:
縦線に比べて横線が細い書体です。
伝統的、上品、高級感のある印象を与えます。 - 筆書体:
筆で書いた文字を再現したような書体です。
伝統的、歴史的な印象を与えます。 - デザインフォント:
装飾性の高い書体で、手書き風やポップ体が含まれます。
長文になると読みにくくなるため、
目立たせたいキャッチコピーやタイトルに使われることが多いです。
動画編集におけるフォントの重要性
動画編集において、フォントは単なる「文字」ではなく、動画全体の印象を大きく左右する重要パーツです。
主な役割としては、以下の3つが挙げられます。
①視覚的な魅力を高める
動画のタイトルやテロップのフォントを美しくすることで、視聴者の注意を引いたり、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
フォントの種類、形状、大きさ、色、配置などによって、動画の雰囲気や印象は大きく変わります。
②情報をストレスなく伝える
特にスマホなどの小さな画面で動画を見る場合は、フォントの「可読性(読みさすさ)」が重要です。
フォントの大きさ、色、背景とのコントラストを適切に調整することで、可読性を確保することができます。
読みやすければその分、視聴者が動画の内容やメッセージを理解しやすくなります。
③視聴者の感情を誘導する
フォントの種類は、視聴者が動画をどのように感じ、解釈するかを左右します。
例えば、コメディ動画にはポップなデザインフォント、ホラー動画には不気味なフォントを使うなど、動画のテーマやメッセージに合わせて視聴者の感情を誘導することができます。
このように、視聴者はフォントから無意識に動画の印象を感じ取ります。
動画編集をする際は、情報をより効果的に伝えるために「フォントの選び方」や「使い方」を工夫しましょう。
動画編集におけるフォント選びのポイント3つ
ここでは、動画編集におけるフォント選びのポイントを3つご紹介します。
ポイント①目的とメッセージに合ったフォントを選ぶ
動画編集をする際は、動画の内容や目的、視聴者の属性に合ったフォントを選ぶことが大切です。
例えば、高級感のある商品やサービスの広告動画でカジュアルなフォントを使用した場合、視聴者はそのメッセージを軽く受け取ってしまう可能性があります。
逆に、カジュアルな動画で明朝体や筆書体などのフォントを使用した場合、メッセージが硬く、無機質に感じられるでしょう。
適切なフォントを選ぶには、まず動画で伝えたいメッセージやターゲット層を明確にすることが大切です。
ポイント②視認性と可読性を確保する
動画編集におけるフォント選びのポイント2つ目は、視認性と可読性を確保することです。
どちらも「読みやすさ」を表す言葉ですが、厳密には少し違います。
- 視認性:パッと見た瞬間に認識しやすいか
- 可読性:文章が読みやすいか
動画編集をする際は、通常のテロップは可読性(読みやすさ)を重視して、動画冒頭や強調すべき部分は印象に残りやすいよう視認性を意識することが大切です。
視認性と可読性は、
- フォントの種類
- フォントの太さ・大きさ
- 文字間、行間
- 境界線
- 配色
などによって変わってきます。
以下の記事では、テロップの読みやすさを上げるコツについて解説していますので、ぜひ併せてご覧ください!
ポイント③一貫性を保つ
動画編集におけるフォント選びのポイント3つ目は、一貫性を保つことです。
同じ動画内で様々な種類のフォントを使うと、視覚的な混乱を引き起こして、情報がうまく伝わらない可能性があります。
フォントの組み合わせは2〜3種類に留め、全体のデザインやテーマに統一感を持たせることが大切です。
一方で、強調したい部分のみ意図的にフォントの種類をガラッと変えることで、その部分を際立たせることもできます。
その場合は無闇にフォントを変えるのではなく、
- タイトル
- 見出し
- 本文
- 特に伝えたい部分
を整理して、情報の重要性を階層化しましょう。
動画編集ソフトにフォントを追加する方法
Adobe Premiere ProやFinal Cut Proといった動画編集ソフトには、デフォルトで様々な種類のフォントが搭載されています。
さらに、ネット上にあるフォント配布サイトからフォントファイルをダウンロードして追加することも可能です。
ここでは、主な2つのやり方をご紹介します。
追加方法①フォント配布サイトからダウンロードする
動画編集ソフトにフォントを追加する方法1つ目は、フォント配布サイトからダウンロードする方法です。
インターネット上には、無料や有料でフォントを配布しているサイトがたくさんあります。
具体的な追加方法は以下の通りです。
- フォントをダウンロード
フォント配布サイトからフォントファイル(.ttfや.otf)をダウンロードする。 - フォントファイルフォルダを開く
ダウンロードフォルダを開き、フォントファイルのフォルダを開く。
(ZIP形式で圧縮されている場合は解凍する。) - フォントをPCにインストールする
Windowsの場合は、フォントファイルを右クリックし、「インストール」を選択する。
Macの場合は、フォントファイルをダブルクリックし、「フォントブック」が開いたら「インストール」をクリックする。
これだけで完了です。
その後、動画編集ソフトを再起動することで追加したフォントが使用可能になります。
追加方法②Adobe Fontsを利用する(Adobeソフトのみ)
動画編集ソフトPremiere ProやAfter Effectsをお使いの方は、「Adobe Fonts」というフォントライブラリからフォントを追加することができます。
Adobe Fontsとは、アドビが提供しているフォントのサブスクリプションサービスです。
日本語フォントを含む20,000以上の高品質なフォントが配布されており、Adobe Creative Cloud利用者であれば、追加料金なしで利用が可能です。
具体的な追加方法は以下の通りです。
- Adobe Fontsサイトにログインする
まずはAdobe Fontsサイトを開き、アドビアカウントにログインします。 - 使いたいフォントを選ぶ
フォントの種類を検索し、使いたいフォントを選んで「ファミリーを追加」を選択する。
これだけで完了です。
PCにダウンロードする必要なく、追加したフォントはAdobe Creative Cloudを経由して動画編集ソフトに同期されますので、非常にスムーズです。
動画編集者におすすめのフリーフォントサイト3選
ここでは、動画編集用のフォントを無料でダウンロードできるおすすめサイトをご紹介します。
以下のサイトでは、Adobe製の動画編集ソフトはもちろん、Final Cut Proなど他の編集ソフトでも使用可能なフォントが揃っています。
なお、商用利用(営利目的で使用すること)の場合は各サイトのライセンス条件に注意してください。
一部のフォントは個人利用のみ許可されている場合がありますので、利用前に確認することが重要です。
以下より、それぞれのサイトを詳しくご紹介します。
①Google Fonts
動画編集者におすすめのフォントサイト1つ目は、「Google Fonts」です。
Googleが提供する無料のフォントライブラリで、日本語フォントはもちろん、様々な言語のフォントが多数揃っています。
WEBコンテンツや印刷物に限らず、あらゆる目的での商用利用が可能です。
カテゴリ別の検索やプレビュー機能も使いやすく、おすすめのサイトとなっています。
②FONT FREE
動画編集者におすすめのフォントサイト2つ目は、「FONT FREE」です。
FONT FREEは、日本語フリーフォントを多数紹介しているサイトです。
ゴシック体や明朝体といった基本的な種類だけでなく、手書き風、毛筆体、ポップ体、ひらがな、カタカナ、漢字といった様々なカテゴリからフォントを探すことができます。
フォントによって制作者が異なるため、ダウンロードする際は各サイトの利用規約を必ず確認しましょう。
なお、商用利用の可否については一覧ページで確認できますので、非常に使いやすいサイトです。
③Font Space
動画編集におすすめのフォントサイト3つ目は、「Font Space」です。
Font Spaceは 世界中のフォントデザイナーが提供する無料フォントを集めたサイトです。
こちらもフォント製作者によって利用規約は異なりますが、商用利用可能なフォントが多数揃っています。
先述した配布サイトに比べて日本語フォントの種類は少ないものの、デザイン性の高いフォントが豊富なのが特徴的です。
動画編集だけでなくデザインやロゴ制作などにも役立つはずです。
プロが選ぶ、動画編集におすすめのフリーフォント10選
ここでは、動画編集のプロにも多く選ばれているおすすめの日本語フリーフォントをご紹介します。
これらのフォントは、動画のテーマやスタイルに応じて使い分けることで、作品のクオリティを向上させることができます。
①ヒラギノ角ゴ
ヒラギノ角ゴは、日本語の伝統的な書体であるゴシック体に、現代的なデザインを取り入れたオーソドックスなフォントです。
読みやすく美しい文字が特徴で、太さの種類が豊富にあり、足りない漢字・出ない文字がほとんどありません。
動画編集においては、読みやすさが求められるキャプションやテロップに最適です。
②UD新ゴ
UD新ゴは、モリサワが開発・販売する「新ゴ」をベースに、ユニバーサルデザインを取り入れたゴシック体です。
ユニバーサルデザインとは、年齢や状況などに関わらず、できるだけ多くの人が利用できることを目的に設計されたものです。
文字同士がくっつきにくいデザインで、可読性・視認性に優れています。
③コーポレート・ロゴ
コーポレート・ロゴは、源ノ角ゴシックに会社ロゴのようなひらがな・カタカナを組み合わせたフォントです。
シンプルかつモダンな雰囲気で、信頼感や安心感を与えます。
ビジネス動画やプレゼンテーション動画に適しています。
④源ノ明朝
源ノ明朝は、明朝体に現代的なデザインを取り入れたフォントです。
デジタルデバイスに最適化されているため小さい文字でも潰れないように工夫されています。
高級感やクラシカルな雰囲気を出したい動画に適しています。
⑤UDデジタル教科書体
UDデジタル教科書体は、主に教育用途を目的として開発されたフォントです。
読みやすさ、視認性、学習効率を高めることを重視して設計されています。
長時間読んでも目が疲れにくいデザインになっているため、プレゼンテーションやチュートリアルなど、様々な教育関連動画に適しています。
⑥Rounded M+ FONTS
Rounded M+ FONTSは、日本語のフリーフォント「M+ FONTS」をベースに、文字の角を丸くしたデザインが特徴のフォントです。
柔らかく親しみやすい印象を与えるため、子供向けのコンテンツやカジュアルな動画に適しています。
⑦筑紫丸ゴシック
筑紫丸ゴシックは、日本語のフォントファミリー「筑紫フォントシリーズ」の一つで、独特の丸みを帯びたゴシック体フォントです。
優しさとモダンな印象を兼ね備えており、フォーマルからカジュアルまで幅広い動画に適しています。
動画編集においては、特に女性向けチャンネルでよく使用されています。
⑧ロゴたいぷゴシック
ロゴたいぷゴシックとは、特にロゴデザインや見出しに適したゴシック体フォントです。
視認性が高く、シンプルでありながらスタイリッシュなデザインが特徴です。
⑨けいふぉんと
けいふぉんとは、ゴシック体にポップ体の要素を加えたデザインフォントです。
YouTubeでよく見かける王道フォントで、特にエンタメ系の動画でよく使用されます。
フォーマルな場面よりも、柔らかさや親しみやすさを演出したい場面に適しています。
⑩零ゴシック
零ゴシックとは、源ノ角ゴシックをベースに、文字が割れていたり欠けていたりといった装飾を加えたデザインフォントです。
こちらもYouTubeで定番のフォントとなっており、ホラー系やドッキリ系の動画によく使用されています。
自分で文字加工せずに、最初からボロボロの文字を作ることができ、尚且つ読みやすいという特徴があります。
動画編集のフォント選びで最も大切なこと
動画編集のフォント選びにおいて、最も大切なことは「視聴者の視点を忘れない」ということです。
フォントは動画に華やかさを加える役割もありますが、大前提として動画のメッセージを伝えることが最重要課題です。
動画編集の際は、動画の目的とメッセージに基づいてフォントを選び、大きさや配色を考える際は「視聴者がストーリーを理解できるか」ということを意識しましょう。
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