今回は動画編集を仕事をするための方法と、実際にどのような仕事をするのか、そして気になるであろう年収まで包み隠さず解説していきます。
・動画編集の仕事をやってみたい方
・動画編集ってどんな仕事をするのか知りたい方
・動画編集でいくら稼げるのか知りたい方
このような方に必見の記事になっていますので、ぜひご覧ください。
動画編集の5つ+αの仕事内容

まずは動画編集の仕事内容を解説していきます。
様々な作業をしてテレビやYouTubeで普段から見ている動画を作られています。ではほとんどの動画編集で行われている仕事内容を解説していきます。
その後によりクオリティの高い動画にするために行う仕事内容についても紹介していきます。
動画編集の仕事内容①音量の調整
まず最初に音量の調整をしましょう。
この作業自体はどのタイミングに行ってもいいのですが、テロップが複雑になっていない最初に行っておけば音量の調整ミスが起こりづらくなります。
次の作業にカットを控えていますが、カットを行うとテロップは2つになってしまい調整する手間が倍になってしまいます。(ドラッグして複数テロップを選択したら一回で調整することも可能ですが・・・)
ですが、作業が増えてしまうのは確実で、ミスの原因にもなるため最初に音量の調整を行うようにしましょう。
動画編集の仕事内容②カット
次にカットです。
動画素材には、撮影前のオフショットのような場面や台本を間違って言い直したりと、編集に必要のないシーンも存在します。
そういう場面はここでカットしておかないと動画の流れが悪くなり、本来動画で伝えたいことが霞んでしまい、結果的に動画のクオリティは下がってしまいます。
このカットで動画の根幹となるテンポが決まります。これが悪ければこの後の作業がどれだけ良くても見ていてストレスになり、離脱の原因にもなるので気をつけましょう。
動画編集の仕事内容③テロップ入れ
カットが終われば、テロップを入れましょう。
動画の中で強調したいことや、伝わりづらいことをテロップを入れて補完することで、ほとんどの視聴者が動画の趣旨を理解できるようにします。
テロップデザインも重要
ただ文字だけのテロップを入れても残念ながら意味がなく、テロップデザインも重要になります。
これは可読性ももちろんですが、デザインを動画のテーマに合わせて作成することでその場のテンションやニュアンスが伝わりやすくなります。
例えば、下記のフォントを見るとどういう印象を持ちますか?

よくホラー映像として使われるフォントなので、「怖い」という印象を持たせたいときにこういうフォントを利用します。
デザイン一つで視聴者の受け取り方は大きく変わるので、適切に使い分けることが重要です。
動画編集の仕事内容④BGM・効果音の挿入
テロップデザインと挿入が終わったら次にBGMと効果音を入れましょう。
BGMはトレンドを適当に入れるのではなく、動画の内容によって変えなければいけません。
例えば、何かを販売するための動画なら、アップテンポのBGMにしたり、落ち着いて見てもらいたいならスローテンポのBGMを流したりとBGMの有無で視聴者の行動が変わるといっても過言ではありません。
どのような動画に対してどのようなBGMがいいのか、例をまとめておきますので参考にしてください。
動画タイプ | BGMタイプ |
---|---|
スポーツ系 | アップテンポ、明るめ |
ヘルスケア系 | リラックス、落ち着き |
ホラー系 | 悲壮感、おどろおどろしい |
このほかにも会話メインの場合、今まで流していたBGMを消してその話を強調するといった方法もあるので、さまざまな動画のBGMに注目して視聴してみるのもいいでしょう。
動画編集の仕事内容⑤出力・エンコード
そして、動画編集が完了したらエンコードです。
エンコードという言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、簡潔に言うと、「動画のサイズを圧縮して軽くする」ということです。
動画のサイズが多いと実際に視聴するまでに多くのデータを受信しなければならず、再生までに時間がかかってしまいます。

Causality Using Quasi-Experimental Designs」より引用
上記のグラフは再生までにかかる時間による視聴者が再生をやめてしまう割合(離脱率)をグラフに出していますが、再生までに2秒かかってしまうとそこから1秒ごとに5.8%の視聴者が動画を閉じてしまうという論文が出ています。
だからこそ、エンコードはただの作業にも感じてしまいますが、今まで頑張って動画編集してきたものを見てもらうために、同じクオリティで最大限圧縮して出力できるようにしましょう。
ここまでは動画編集に必要な仕事でしたが、次からは動画のクオリティを上げるために行う仕事を解説していきます。
クオリティを上げるための仕事:アニメーション・エフェクトの挿入
クオリティアップに必要なことはアニメーションとエフェクトの挿入です。
例えば、テロップを表示する時にただパッと出すだけではなく何らかのアニメーションを入れて出すとより動画に動きが出て視聴者が興味を持つようになります。
例えばですが、簡単なテロップアニメーションだと下記のようなものがあります。

これはショートカットキーだけでできるものもあれば、エフェクトを入れるだけで適用できるものもあります。
このようなアニメーションを入れることでクオリティも上げられ、視聴者に飽きさせないようにすることもできるので、動画編集をする時にはぜひ取り入れましょう。
動画編集を仕事にする3つの働き方

次に動画編集の仕事での働き方です。これは大きく3つあり、
- フリーランス
- 正社員雇用
- アルバイト
この3つです。働き方によって収入も異なりますが、仕事内容は基本的に先ほどお話しした5つ+αになります。
ではそれぞれの働き方の特徴を解説していきます。
動画編集を仕事にする働き方①フリーランス
まず最初にフリーランスです。
フリーランスは自分自身でクライアントを探し、直接契約し報酬を得る働き方です。この方法では自分自身でクライアントを探して案件を獲得しなければならないので、動画編集以外の知識やノウハウは必要にはなりますが、動画編集の仕事をする働き方としては最も収入を上げやすい方法です。
動画編集の仕事をフリーランスとして行う3つのメリット
動画編集の仕事をフリーランスとして行うメリットは3つあり、それぞれを表にまとめます。
自由な働き方ができる | ・出向等の案件でなければ基本的に自宅など自分の好きな場所で仕事ができる ・仕事をする時間は自由なので、働きたい時間に動画編集の仕事ができる ・休日も自由なので、1ヶ月全て働いて翌月全て休みといった変則的な働き方も可能 |
収入に制限がない | ・報酬が全て自分の収入になる(注意:税金を支払わなければいけないので厳密には全額ではない) ・働けば働くほど自分の収入は上がる ・一般企業の昇給以上に収入の上がり幅が大きい |
人間関係のストレスが発生しづらい | ・嫌な人と一緒に仕事をする必要はない ・嫌なクライアントの仕事を請けなくてもいい ・一緒に仕事をしたい人だけを集めて仕事ができる |
動画編集の仕事をフリーランスとして行う3つのデメリット
次にデメリットですが、これも3つあります。
動画編集以外のスキルが必要 | ・営業や交渉、見積もり等のスキルがないと仕事が受注できない ・クライアントの要望を汲んだ動画編集をしなければならないので今までの経験が重要になる |
収入が安定しない | ・安定した案件がなければ単月だけで上がり、翌月は一切仕事が受注できていないということもある ・動画のクオリティと報酬が比例して上がりにくい ・クライアントからの信頼がないと単価が上がりにくい |
休みなしで働いても収入が少ないこともある | ・単価が低い案件ばかり受けると、稼げないが動画編集の仕事を毎日しなければいけない状況になる ・質の悪いクライアントは切ったほうがいい |
おすすめ記事:フリーランス動画クリエイターになるために必要なスキルと仕事の取り方
動画編集を仕事にする働き方②正社員雇用
次に正社員雇用です。
フリーランスのように自分でクライアントを探して案件を受注する必要がないので、動画編集の仕事に集中でき、短期間でクオリティを上げやすい働き方です。
動画編集の仕事を正社員として行う3つのメリット
動画編集の仕事を正社員として行うメリットをまとめます。
動画編集スキルを向上させやすい | ・営業や交渉、見積もりを行わなくていいので動画編集に集中できる ・周囲に動画編集のプロがいるので、的確なフィードバックを得やすい ・様々な仕事ができるのでノウハウ構築、経験を積みやすい |
収入が安定している | ・毎月安定した収入が得られる ・保険料等がフリーランスと比べて安い ・収入以外にもボーナスなどがあるので資産を増やしやすい |
機材を準備する必要がない | ・高額なPCを購入する必要がない ・社内のPCを変える場合会社が支払うので自分で出す必要がない ・動画編集ソフトを自分で契約する必要がない |
動画編集の仕事を正社員として行う3つのデメリット
次にデメリットです。
収入を上げづらい | ・実力に見合った収入が得られない可能性がある ・年間に数千円単位しか上がらない可能性もある ・実績が収入に直結しない |
好きな時間に仕事ができない | ・基本的に平日は会社で8時間〜動画編集の仕事を行わなければならない ・土日祝以外に休みが取りにくい |
仕事をする環境を選べない | ・会社で仕事を行う必要がある ・気分転換をしながら仕事がしにくい |
このようにフリーランスとは違ったメリットとデメリットがあります。それぞれ一長一短なので自分のスキルと望んだ働き方をイメージしながら自分のやりたい働き方を選びましょう。
動画編集を仕事にする働き方③アルバイト
そして最後の働き方はアルバイトです。
アルバイトは今までとは少し異なりますが、「まずは動画編集の仕事をしてみたい」「動画編集の練習をしたい」という軽い気持ちでも働けるのがアルバイトです。
ではメリットとデメリットを解説していきます。
動画編集の仕事をアルバイトとして行う3つのメリット
まずはアルバイトのメリットです。
お試し感覚で仕事ができる | ・正社員とは違って雇いやすいので初心者からでも動画編集ができる (最低限のスキルは必要になる可能性もある) |
プロから動画編集スキルを学べる | ・プロの近くで動画編集の仕事ができるので、独学と比べてスキルを得やすい |
機材を準備する必要がない | ・高額なPCを購入する必要がない ・社内のPCを変える場合会社が支払うので自分で出す必要がない ・動画編集ソフトを自分で契約する必要がない |
動画編集の仕事をアルバイトとして行う2つのデメリット
次にアルバイトとして働くデメリットです。
収入を上げられない | ・時給での働き方なので収入を上げにくい ・正社員と比べて手当も少ない ・時給が十円上がっても一千円程度しか上がらない |
収入に上限がある | ・時給契約で働く時間も限られているので収入に上限がある |
アルバイトは手軽に動画編集の仕事ができる方法ではありますが、収入にも上限があり、保険などのサービスも全て自費になってしまうので長期間アルバイトを続けるのはお勧めできません。
アルバイトで学んだ知識を使ってキャリアアップをしてフリーランス、もしくは正社員として働いていくプランで進めていく方法であれば将来的な収入アップを狙えるのでおすすめのプランになります。
これまでは動画編集の「働き方」についてのメリット・デメリットについてお話ししましたが、ここからは動画編集を仕事にするときのメリット・デメリットについて解説していきます。
動画編集を仕事にするメリット

まずはメリットです。メリットは3つあります。
動画編集を仕事にするメリット①幅広いスキルを得られる
まずは幅広いスキルを得られる点です。
一概に動画編集といってもただ動画編集ができるだけでは動画のクオリティは向上しません。
- 撮影スキル
- 音響スキル
- デザインスキル
これらのスキルも向上させなければいけませんが、動画編集をしているうちにこれらのスキルは自ずと習得できるようになります。
そのスキルは動画編集の仕事だけではなく、別の業界でも使える技術なので自分自身のキャリアの選択肢が広がります。
動画編集を仕事にするメリット②表現の自由度が高い
次に、動画での表現の自由度が高いというメリットです。
最近では一般的になりましたが、一昔前まで文章と画像が一般的でテレビでのみ動画が観れるという時代がありました。
しかし現在は携帯で動画を見るのが一般的になっています。
それだけ表現の自由度が高く、クリエイティブ力が求められます。しかし、このクリエイティブ力さえ身につけられればこれからも動画クリエイターとして生計を立てていくことができるでしょう。
動画編集を仕事にするメリット③キャリアプランが豊富
最後にキャリアプランの選択肢が豊富というメリットです。
これは最初のメリットでも簡単にお話ししましたが、動画編集スキルを得られれば様々なスキルを身につけることができるので、動画編集者以外でもWebデザイナーなどの全く別の働き方もしやすくなります。
それ以外にもフリーランスとしても働きやすいので動画クリエイターとして大きく収入を上げることも可能です。
動画編集を仕事にする3つのデメリット

次に動画編集を仕事にするデメリットです。
動画編集を仕事にする3つのデメリット①仕事量が非常に多い
動画編集は様々なスキルを得られるということをメリットでお話ししましたが、その分仕事量はかなり多くなります。
仕事内容を見てもらえればわかりますが、大枠の作業としては5つ+α、それぞれにかかる時間は素材の長さにもよりますが、数時間〜数日かかることも珍しくありません。
そのため、常に効率化をしていかなければならず、動画編集自体の難易度も高いです。
動画編集を仕事にする3つのデメリット②作業が単調になりがち
動画編集の難易度も高いですが、対照的に作業内容はかなり単調になることが多いです。
例えば、カットですが、1時間の素材があった場合、少しずつ再生しながら不要な映像を削除していくので地道かつ、時間がかかる作業です。
その次のテロップを入れる作業もかなり地道になります。
動画編集を楽しめない人には合わないかもしれない
これだけ見ても難易度が高く面倒な仕事だと思ってしまいますが、なぜ動画クリエイターが多いのかというと、大きな原因はこれからも動画編集の需要は上がり続けていく可能性があるからです。
しかし、以前と比べてクライアントが求める動画のクオリティも上がってるので、最終的にはやりがいに繋がっていきます。
動画編集で自分の動画を作ることに楽しみを持たなければ動画クリエイターとして長続きしない可能性があります。
動画編集を仕事にする3つのデメリット③一定以上のスキルが必要
そして3つ目は一定以上のスキルが必要になる点です。
PCの操作スキルはもちろん、動画編集ソフトの使い方など最低限身につけておくべきスキルがあります。
これは慣れの部分も大きいので動画編集を仕事にする場合は1日〜1週間程度使い方を勉強しておけば最低限の仕事は受注できるでしょう。
動画編集の仕事で稼げる金額は?

最後に動画編集の仕事で稼げる金額について解説します。これは働き方によって変動するのでフリーランス、正社員、アルバイトでそれぞれ比較していきましょう。
正社員は300万円〜450万円程度
正社員として働く動画編集者の年収は、経験年数やスキル、所属企業の規模などによりますが、一般的には300万円から450万円程度です。
月収で言うと20万円〜25万円ほどです。
ここから月収30万円、40万円を稼げるようになるまでには、その企業での勤続年数や役職によっても異なりますが、10年程度かかると思っておいたほうがいいでしょう。
しかし、退職金やボーナスもあるので、仕事をせずに得られる収入は他の働き方と比べても高くなりやすいです。
フリーランスは200万円〜300万円になることが多い
次にフリーランスですが、これは案件の量や単価によって大きく変わります。
年収で数十万円のフリーランスもいれば年収500万円以上稼ぐフリーランスも存在します。ですが、フリーランス全体で言うと約200万円〜300万円程度になるでしょう。
意外と少ないと思われたかもしれませんが、現在フリーランスは稼げる動画クリエイターと稼げない動画クリエイターとで二極化しており、動画のクオリティを上げたり、様々な営業をしてクライアントから信頼される動画クリエイターになることができれば、大幅に収入を上げることも可能です。
アルバイトは月に10万円〜15万円程度
最後にアルバイトですが、時給にもよりますが、平均して月に10万円〜15万円程度です。
これまでお話しした2つの働き方では収入アップの方法がありましたが、アルバイトで収入を増やすのであれば、
- 就業時間を増やす(働く日数を増やす)
- 時給を上げる
この2つしかありません。ましてや時給が上がったとしても十円〜数十円程度であれば数千円しか上がりません。
そのため、いつまでもアルバイトで動画編集をするのではなく、フリーランス、正社員を目指す方がおすすめですです。
動画編集を仕事にする方法は?仕事内容から年収まで包み隠さず解説のまとめ

ここまで動画編集の仕事内容から働き方、そして年収まで全てお話ししました。
動画編集業界は今後も市場規模としては大きくなりますが、動画クリエイターが多くなり単価が下がってしまう可能性もあります。
しかし、ここで巷の動画クリエイター以上のクオリティの動画を出せたり、オリジナリティのある動画を作ることができれば、差別化ができ、その分収入も上がりやすくなります。
まずは基礎的な知識や技術を身につけ、様々な仕事に従事することが動画編集の仕事をしていくための第一歩です。
このスキルは一生モノのスキルです。諦めずに取り組んでいればいずれ結果として現れていきますので頑張りましょう!